数学全般

数学が得意な人は将棋が強い?数学とボードゲームの2つの間に関係性はある??

数学と将棋などのボードゲームとのそもそもの違いは何??

こんにちは。アインシュタインタロウです。今回は私が素朴に思った疑問を記事にしています。

というのも私は数学は非常に得意ですが、将棋が強くありません。少しやったことがあるくらいの人から見れば、多少は強く見えるかもしれないですが、少し真剣にやったことがある人には完敗します。

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参考) 百鍛将棋

もちろん私自身、将棋の本をたくさん読んでいるわけではないですし、囲いや戦型が最低限分かる程度なので、ちゃんと勉強している人に負けるのは当たり前かもしれないですが、今回この記事ではそもそも数学を解くときと将棋を指すときの考え方に違いがあるのかどうかを掘り下げてみたいと思います。

ということでまずは数学と将棋やボードゲームの違いの最も大きい部分を考えると、以下などがあると思います(これ以降はボードゲームの中で特に将棋を例にします)。

・1点目の違い:相手がいるかいないか
・2点目の違い:必ず解けるか解けないか(勝てるか勝てないか)

1点目は読んで分かる通りの通りの最も大きな違いの1つでしょう。数学を解くときは相手はいませんが、将棋を指すときには相手がいます。もちろん数学にも出題者はいますがそのような意味ではなく、数学を解くときにそれに影響を及ぼしてくる相手がいないということですね。

2点目は研究者などでない限り、数学を解くというときは我々は必ず解ける問題を解くということです(入試問題や教科書や問題集はすべて必ず答えがある問題を扱いますね)。それに対して将棋は先手の勝率がやや高いことや、先手はやりたい戦型がやりやすいなどはあるものの、先手後手のどちらかが必ず勝てるかなどは解析されていません(2023年2月時点)。

当たり前のように感じますが、これらが数学をするときと将棋を指すときの思考回路にどういう影響を及ぼすかを次の見出し以降で考えていってみましょう。

数学の問題を解くときの思考回路は?

数学を解くときの思考回路は細かいことは色々あるものの、大きなくくりでは、「条件を式にする、条件を反映する」ことによってその制約から答えが出たり証明ができたりします。それ以外で言えば「求めたいことのために何かをする」などが基本の考え方になります。

これは2点目の違いの「普段やる数学の問題は必ず解ける」からこそ、「問題文の条件や制約が問題を解くために必ず必要なものになっているから」です。

具体例を出せば以前取り扱った整数問題で
【問題】$x,y$ は0以上の整数として、$xy-2x-y-2=0$ を解け。
というものがありました。
参考) 整数問題を解くための考え方その4~小数にならない~

今回の解き方の詳細は上記の記事にもあるので、是非ご覧ください。今回はポイントを抜き出して例にとると、この問題の1つのアプローチとして「$x$ は整数なので 、その条件を使うために$x=$ の形に持っていきたい」などがあります。

そのために$x$ について解けば
$y\neq 2$ のとき
$\displaystyle x=\frac{y+2}{y-2}$
となり、あとはこれを掘り下げていけば答えにいけます。

そして、当然のことながらこの変形は「誰にも邪魔されません」。その方針で上手くいくかどうかは別としても、数学を解くときは思ったことや、やりたいことは誰にも邪魔されずにできます。これは1点目の違いにあるように「相手がいないから」です。

つまり数学の思考回路の大きな部分は「最初にやりたいことがあり、それを検討していく」ということが思考の原則です。

将棋などのボードゲームをするときの思考回路は?

次に将棋を指すときの思考回路ですが、序盤などは戦型によって定石などもあるため、ある程度そこを踏まえて進行をして、どこかで前例がない形やプレイヤーが知らない形になったあとは「定石や手筋(部分的に有効になることが多い指し手)」などを駆使しながら、「分岐を読んでいく」ことをします。

そこで分かることは、将棋はそもそも数学と違って「このような形にしたいと思っても必ずできるとは限りません」。何故なら1点目の違いにあるように「相手がいる」ので、自分の思った通りに相手が動いてくれないと違う流れになるからです。

また2点目の違いにあるように必ずどちらが勝つというわけではないため(つまり正解が用意されていないため)、中盤であってもAIなどを使わない限りどちらが優勢なのかすら、そもそも正確に把握できない局面も多々あります。正解がないということは「状況によらず必ずこうすれば勝てる」ということを最初から設定することは難しいです。

そのため将棋は「これをしたらこうなってその次にこうしたら…」などの様々な分岐をできる限り先まで検討し、その中で自分が最も優勢になりそうな手を指していくことになります。

数学が得意な人は将棋が強いかどうかの関係性は??

以上のことから私の考えをまとめると

数学:最初にやりたいことがあり、それを検討していく。
将棋:分岐の検討の中で、やりたいことをする。

というような結論に至りました。つまり、何かアクションをする際の思考が上記のように逆のイメージになります。これまでは漠然と数学と将棋は全然違うなぁ、と思っていたのですが今回分析してみて、その感覚としっくりくる結論につながったので、少なくとも私の数学の解き方ではこのように大きな違いがあることが判明しました。

ただ人によっては数学の解き方が「典型手段の組み合わせで未知の問題を分解していく」などの人もいますので、このような解き方の場合は、将棋の思考回路のところで紹介したような「定石や手筋(部分的に有効になることが多い指し手)」などを駆使しながら「分岐を読んでいく」、という考えに近いものになります。

藤井聡太さんが好きな科目で数学を挙げているのは、もしかしたら藤井さんは上記のような将棋に近い思考回路で数学を解いているのかな、と想像が膨らみます。

ということで今回は数学の得意不得意とボードゲームの強い弱いの関係を探ってみました。最終的には数学の解き方や考え方でも変わると思いますが、少なくとも思考の手順については数学と将棋は大きく異なるものというような結論になりました。

ただ今回の話は「数学が得意で将棋があまり強くない私の分析」なので、「将棋が強くて数学があまり得意でない人」などがまた違う分析になるのであればそれはとても気になるところです!
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