大学受験数学

共通テスト数学IIB対策で使える具体的な問題集や参考書は?

共通テスト数学IIB対策でセンター試験の過去問は使える?

数学IAと同様でセンター試験の過去問を共通テストの対策として使用する場合は、まずその2つの試験の違いをしっかりと理解する必要があり、古すぎるセンター試験の過去問は現課程と範囲が全然違うこともあるため、注意が必要です。

数学IAと違う点でいえば、数学IIBにおける共通テストとセンター試験の違いですが、数学IIBは数学IAに比べると変化が少ないため、共通テストの対策としてもセンター試験の過去問が使える部分が多いです。

以下は数学IAのときと同様で年度別の範囲になります。センター試験は「2007 年度から 2014 年度までを旧課程 (現在と範囲が少し異なる)」と「2015 年度から 2020 年度は新課程(現在の数学の分野と学習内容としては同じ範囲)」まで実施されていました。共通テストは「2021年度からスタート(もちろん新課程)」です。

旧課程は厳密には2006年度からですが、移行年度のため配点等異なる部分があります。以下がそれぞれの年度の範囲と配点などです。

・出題について (旧課程センター数学II B)
60 分で大問は6つ。選択問題は2つを選択して合計4つの大問を解きますが、多くの高校生は数列とベクトルを選択することになると思います。以下大問の該当範囲。
1 三角関数, 指数対数関数, 図形と方程式, その他 [必須, 配点 30 点]
2 微積分 [必須, 配点 30 点]
3 数列 [選択, 配点 20 点]
4 ベクトル [選択, 配点 20 点]
5 確率分布 [選択, 配点 20 点]
6 整数とプログラム [選択, 配点 20 点]

・出題について(新課程センター数学IIB)
60分で大問は5つ。選択問題は2つを選択して合計4つの大問を解きます。大問6はなくなり、整数は数学IAに加わる形になりました。選択問題は同様に数列とベクトルが多数派と思われます。以下大問の該当範囲。
1 三角関数, 指数対数関数, 図形と方程式, その他 [必須, 配点 30 点]
2 微積分 [必須, 配点 30 点]
3 数列 [選択, 配点 20 点]
4 ベクトル [選択, 配点 20 点]
5 確率分布 [選択, 配点 20 点]

・出題について(共通テスト数学IIB)
60分で大問は5つ。選択問題は2つを選択して合計4つの大問を解きます。確率分布の大問の位置だけが変わるという謎の変更です。会話形式や実用性を意識したような出題が加わりました。選択は依然として数列とベクトルが多数派と思われますが、2025年度からの数学の範囲変更により「確率分布」の重要性が大きく増すため、それ以降は話が変わるはずです。以下大問の該当範囲。
1 三角関数, 指数対数関数, 図形と方程式, その他 [必須, 配点 30 点]
2 微積分 [必須, 配点 30 点]
3 確率分布 [選択, 配点 20 点]
4 数列 [選択, 配点 20 点]
5 ベクトル [選択, 配点 20 点]

共通テスト数学IIB対策でのセンター過去問の有効な使い方は?

3つの期間を見て分かるように、記した3つの期間は数学IAと違い範囲や制限時間にほぼ変更がないことが特徴です。そのため、数学IAでは共通テストの「時間配分や本番想定という意味の対策としては」センターの過去問があまり役にたたないという状況でしたが、数学IIBは共通テストの対策としてもセンター試験過去問はそれなりに機能します。

その他数学IAの方の記事にある各分野ごとの「学力を上げるための対策」などの使い方もできる点は同様なので、そちらの記事もぜひ参照してみてください。
参考) 【2022年版】共通テスト数学IAが難しすぎる!対策と勉強法は?
参考) 共通テスト数学IA対策で使える具体的な問題集や参考書は?

共通テスト数学IA対策での共通テストや試行調査の過去問の使い方は?

上述の通り、数学IIBに関しては記した 3 つの期間は制限時間や範囲ともに違いはありませんので、共通テストの「時間配分や本番想定という意味の対策として」センターの過去問を使うことにも数学IAよりは意味があります。

各分野ごとの「学力を上げるための対策という意味でも」センター試験の過去の問題を大問ごとに解くことは意味があるので、「分野ごとの学力の向上と定着確認の意味で」使うこともよいでしょう。

なお、各大問は平均で1問あたり15分になるので、目標としては8分〜12分くらいで時間をはかって1つの大問の演習をすると良いです。これは当然分野ごとの演習のために用いるので、1年分を通して一度に解く必要はなく、人によって苦手な部分のみであったり、4日間で1年分やるように1日1つの大問を解くなど個人に合わせた工夫をすると良いです。

数学IIBのセンター試験と共通テストの内容面での違いは、数学Bの数列などでは、より本質的な理解を問われる問題が多数出題されるように変更された点です。例えば漸化式の問題などでは教科書に載っていない複数種類の解法を考えさせたり、数列の和の問題では教科書や問題集などでもほとんど掲載されていないタイプの和の出題が誘導付きではあるものの出題されました。

構造や何故というところを本質的に理解していれば解けるのですが、しっかり理解している高校生は少ないため数列は特に教科書以上の対策が必要です。

共通テスト数学IIB対策で使える具体的な問題集や参考書は?

これまでのまとめになりますが、数学IIBのセンター過去問は「学力を上げるための対策という意味で」使えることは当然として、「時間配分や本番想定の対策という意味でも」数学IIBのセンター過去問はある程度機能するため、幅の広い使い方が可能です。

共通テストの「時間配分や本番想定の対策という意味」なら今はセンター過去問以外の「共通テストの過去問」もしくは「各塾や予備校が発行している共通テスト模試などを集めたオリジナル問題集」も多数あるのでもちろんそちらを中心に使う方が良いですが、問題に多少慣れてからやりたいならばセンター過去問を先にやるのもありです。

共通テストのオリジナル問題集は数学IA同様に、共通テスト対策と言いながら「センターの過去問収録問題集」になっているものも多いのでそれらは注意をして買うようにすると良いです。

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