[1] 10月のテーマ
テーマ:存在しないものをなぜ考えられるのか?〜虚数という概念〜
今月の講座テーマは2次方程式の解で登場してくる虚数という概念についてです。虚数の分野では、そもそも存在していないような数なのになぜそんなものを考えられるのかという質問がたまにあります。今回は数学においてそもそも存在するとはどういうことなのか、ある概念を考えることは自由なのか、などについて取り扱いました。
[2] より深い理解のために
講座で取り扱ったように虚数を受け入れるまで人類は長い歴史がかかっています。それは負の数や0を数字として受け入れられなかったことを考えれば当然かと思います。逆に言えば、ヨーロッパなどでは負の数や0を数字として受け入れたとほぼ同時くらいに虚数を受け入れています。今回は虚数がテーマでしたが、このことからも虚数以前にいかに負の数や0も概念として高度な話であることがわかると思います。さらに概念を考える上では、定義できるかどうかが重要であることがわかります。
[3]いったん違う世界に飛ばすこと
数学は面白いことに実数だけや整数だけの世界の問題にもかかわらず、その分野だけの世界では解けない問題と言うものが数多く存在しています。今未解決になっているような問題も、そのような類ではないかという話もたくさんあります。講座で触れたように、整数だけのシンプルなの数列にもかかわらず、その表記には虚数が使われるなど高度な数学では、いったん別の世界に飛ばして元の世界に戻ってくるというような話があります。数学の奥深さがわかります。