[1] 11月のテーマ
テーマ:数学の出発点の定義と公理(part2)〜求められない確率は数学を発展させた〜
今回は確率を歴史的に振り返ることでどのように発展してきたかを扱いました。確率は現代では非常に身近な考え方ではありますが、日常生活において、ないと必ず困るものではないため、比較的歴史は浅いものとなっています。また、統計学は数学でありながら日常の現象に根付いた学問のため、他の数学分野とは少し違う面を持っています。
[2] より深い理解のために
講座でもお伝えしているように、数学は本来何か実際にある現象を考えるものではありません。その上、1600年以降の数学については日常的な利便性を全く考えずに知的好奇心のみから発展した分野も多いです。しかしながら場合の数や確率、特に統計学については、1600年以降の話にもかかわらず、そもそも日常的な必要性から登場した分野であり数学としては比較的珍しい分野になっています。そして講座で扱ったように学校で習う順番と歴史で考えられた順番がほぼ同じです。これに関しては極めて珍しい分野です。
[3]昔の数学者と今の高校生
場合の数確率について面白いのは、今では高校生が簡単に理解できる内容を、昔の数学者が色々と悩んでいたことです。数学の他の分野については、当時の数学者が悩んでいる内容というのは、当時の知識の条件下では確かに非常に困難が多く、その条件下で問題を考えると、当然今の高校生は難しく感じます。古典的確率については、あくまで概念の整備ができていないから当時の数学者が悩んでいるのであって、知識的な困難が多くあったわけではないというのは面白いところです。
