[1] 7月のテーマ
テーマ:足し算と掛け算の謎は解明されるのか〜abc予想とフェルマーの最終定理〜
今回はabc予想という数学における非常に重要な予想、そしてフェルマーの最終定理という解決に長い時間がかかった問題をテーマにして扱いました。どちらも大学入試で重要となる整数問題についての話ですが、今回の話は今現在様々な議論がされている問題です。整数問題は内容の理解は簡単であっても、解決が非常に難しいことも多いです。
[2] より深い理解のために
今回は整数問題の難しさの1つの要因として、「足し算」が混ざることを挙げました。素因数分解をしてみると、「かけ算」は数の構造を壊さないことが確認できますが、「足し算」は数の構造を壊してしまいます。この足し算とかけ算に関する予想として、非常に重要な意味のあるものが今回扱ったabc予想になります。これが数学の発展に使われる日が来るのか分かりませんが、もし正しいとすれば様々な未解決の整数問題が解けてしまう可能性を秘めています。
[3]高校数学でも分かる整数の難易度
整数は数学者の間でもまだ解決されていないことが多い分野ではありますが、その難易度は高校数学で十分に理解することができます。例えば学習会のすぐ近くにある東京科学大(旧東工大)の入試では毎年のように整数問題が出ていますし、東大や一橋といった最難関大学も同様です。もちろん入試問題に出題される整数問題は解くことができるわけですが、たとえそうであっても難易度自体は非常に高いものが多く、対策が必要な分野です。