[1] 9月のテーマ
テーマ:有理数と無理数はどちらが多いのか〜無限への挑戦〜
今回は4月から8月までの講座の知識をフルに使って、無限個の数の個数を比較するという一見どのようにすればいいのか全く分からないと思われるような話を扱いました。有理数も無理数もどちらも無限に存在しますが、新しい概念を導入することで、この無限の度合いを比較することが可能になります。これは大学にならないと学ぶことのない数学の話ですが、今回は本質を捉えながらもわかりやすく考察を重ねました。
[2] より深い理解のために
何か新しいことを考えるときは「そもそもそれは何なのか、そもそもいったいそれはどういう行為なのか」ということを深く考えて理論を構築することになります。今回でいえば、「そもそも数を数えるとはどういうことか」ということをしっかりと定義することがまずはじめの一歩です。最初は有限個のもので考えて、そこで使えそうな定義を無限個に拡張することで、新しい世界が開けたのが今回の本質的な話となります。
[3]無限の程度について
今回やったように同じ無限個でも、有理数は自然数と同じ個数ですが、無理数は有理数や自然数より多い個数ということがわかりました。厳密には無限にあるので個数という言い方をせずに、数学では濃度という言い方をします。今回の講座で、ひとまず同じ無限個でも違う種類の濃度があることがわかったと思いますが、実は自然数や有理数の濃度と無理数や実数の濃度の2つ以外の濃度があるのかという話はより深い数学の世界につながっていきます。気になる場合は連続体仮説などと調べると、それがその話です。