中学講座

【中学講座】M③-7月「因数分解の研究(part2)〜多変数因数分解と因数分解研究について〜」

[1] 7月のテーマ

テーマ:因数分解の研究(part2)〜多変数因数分解と因数分解研究について〜
今月の講座テーマは中学で習う因数分解について、6月講座の続きの完結編になります。前回で中学や高校で習う因数分解が一体どこまでの内容をやるのかを話し、高校で習う3次以上の式の因数分解についての方法を扱いました。今回は因数分解が何故それほど困難なのかを順を追って解明していきました。

[2] より深い理解のために

因数分解は数値を代入することで、有理数の範囲であれば式が「=0」となるような解の候補を見つける手法があります。その候補の値というものが定数項の約数を最高次数の係数の約数で割った値のプラスマイナスというものでした。それらで「=0」となるものが見つかれば、ひとまず1次式で因数分解ができるのでこれはさほど難しくありませんし、いずれ学校でも習う内容です。ただこれら候補が全て当てはまらないにも関わらず、因数分解が出来るという場合が厄介です。逆にその可能性が因数分解の困難性につながることになります。また時間の都合上今回は多変数についての言及があまりできませんでしたが、今回の1変数でこの難易度ですから、これが複数文字になったら大変なことになることは想像がつくのではないでしょうか。

[3]範囲を広げた方が簡単?

数学でよくある話として、広い範囲で考えた方が話が簡単になることがあります。今回で言うと因数分解という作業は無理数の範囲も許すのであれば、それは有理数の範囲での因数分解で生じるような難易度は発生しません(講座でやったように別の問題に変わります)。普通であれば有理数より無理数を考えた方が遥かに難しくなりそうですが、必ずしもそうではないことは学校数学の身近な部分でも実感できます。例えば2次方程式などは無理数の範囲で解くことがありなら解の公式を覚えればそれだけで話は終わりです。ただ有理数の範囲のみで考える場合はたすき掛けで様々な可能性を考慮する必要があり、そちらの方が面倒です。範囲を広げたほうが話が簡単になるという数学特有の話は今後も出てくる可能性があるので、覚えておくとより面白いかもしれません。

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