[1] 4月のテーマ
テーマ:数学世界のパラダイムシフト〜方程式と図形がリンクする〜
今月の講座テーマは数学に限らず今の世の中ではあまりに当たり前になっている「グラフ」というものについての話になります。「グラフ」と一口に言っても色々ありますが、今回は直交座標系というものについての話になります。グラフというものは直感的にも受け入れやすいものになっており、中学1年ですぐに登場しますがこれが数学の歴史上の大発明でした。
[2] より深い理解のために
直交座標系の概念を確立したのはデカルトという数学者・哲学者ですが、1600年頃に活躍した学者であるため、グラフの歴史は意外と浅いです。もちろんそれまでにグラフらしいものは考えられていたかもしれないですが、デカルトの発明は変量をただ見やすく配置するグラフの概念や考え方とは一線を画していました。それまで別のものとして研究がされていた「図形」と「方程式」がリンクするという革命的考え方を、人間がとても受け入れやすい形の「グラフ」というもので表現しました。数学はここから一気に現代数学へギアを上げていきます。
[3] 理解しやすい革命
難しいことを解明するために難しい方法論を持ち出すことは自然なように感じます。というのも、難しいことは簡単な方法では解決できないから難しいわけですからね。あまりスポットライトが当てられないところですが、デカルトの直交座標系の革命の真にすごいところはその分かりやすさではないでしょうか。数学者ではない様々な人が自然に受け入れることのできる難しくない概念で数学の大革命を起こしたデカルト。「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉を残したのもデカルトですが、彼にはどのように世界が見えていたのでしょうか?